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2005.01.30

昔話

自転車と彼女というタイトルが目に留まり読んでみた。自分の想像とはちょっと違って高校時代の思い出話であった。自転車通学の彼が、電車通学だった好きな彼女との偶然のすれ違いを演出するという微笑ましい話である。

思い返してみれば、自分にも、少なからず、同じような思い出がある。顛末まで、どこか似ている。

高校時代は、1)自転車で田舎道を6.5km、2)汽車で約20km、3)バスで約4kmというバラエティにとんだ遠距離通学だった。所要時間は、東京まで新幹線で通勤する現在とほぼ同じであった。

朝は、時間との闘いであり、田舎道を疾駆する自転車では、すれ違いを演出する相手もいなければ、余裕もない。発車寸前の汽車の運転席の前を両手を広げて横切り、閉じたドアを開けてもらい乗せてもらったこともあった。鍵をかける余裕もなく駐輪場に放置した自転車は、帰ってきたら無くなっていたなんていう悲しい出来事も一度ならずあった。

朝は、そんな調子であったが、時間の制約がない帰りには、ちょっとした演出を試みたことがあった。家まで帰る途中に好きだった彼女の家があった。彼女はバス通学だった。停留所から彼女の家までは50mもない。バスを降りた彼女と自転車の自分が偶然すれ違うという状況を作り出そうとしたのだ。

彼女が乗るバスも分からないのだが、1時間に1~2本しか走らないバス、1時間に1本程度しかない汽車というわけで、組み合わせは、そう幾通りもなかった。5%程度の確率で彼女の乗ったバスと遭遇できるはずだった。大概が、途中でバスに追い抜かれる状況だった。信号も渋滞もあり得ない田舎道だけにバスもなかなか速い。こっちは、アップダウンのあるコースを必死にペダリングしてバスを追走するわけだ。今にして思えばかなりハードな走りだった。一歩及ばないことも多く、追いついても、彼女が乗っていないことも多く、なかなか報われない試みだった。

成功したのは2~3度だったろうか。それも、言葉を交わせたのは、たったの1度きりだった。

それからしばらくしてからかな、何かがあって彼女に電話をすることがあった。中学時代から片思いだった彼女だったけど、話してみたら、両想いだったことに気付くんだよね。でも、それからも、そんなに会うこともなく、なんとも不思議な関係だった。

その後、汽車の方で、新たな展開があったんだよね。その話は、また機会があれば書いてみよう。

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