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2005.04.21

運命(17)

社会人になって数年目の元旦、自分は、米沢の地を訪れていた。学生時代にお世話になった「細道」のオヤジさんから、遊びにおいでよと誘われたのだ。元旦は、オヤジさん、オバさん、お姉さんが、家族水いらずで過ごせる唯一の日なのに、そこに自分を誘ってくれたのが嬉しかった。

そんな招きに甘えついでに、自分は、仙台ですれ違いが多かった彼女を誘った。この場に、彼女を誘うということは、自分の中では、俺はコイツに決めたんだよという宣言をする気持ちもあったのだと思う。

昼前に「細道」を訪ねた。軽くお酒でも酌み交わそうという趣旨だったのだが、蓋をあけてみれば、オバサンとお姉さんの美味しい手料理のオンパレード。圧巻は、松茸尽くしだ。この松茸は、オヤジさんが、自分で採ってきて保存していたもの。そう、オヤジさんは、松茸採りの名人だったのだ。これらのご馳走と、懐かしい会話に盛り上がり、酒はすすむよ、どこまでも。気がつけば、オヤジさんと自分だけで、日本酒を2升も空けていたんだよね。

そろそろお暇の時間、彼女と自分が、おのおのの実家に帰る電車の時間まで、一時間ほど余裕があった。そこで、かつて、下宿していた大家さんに連絡を入れてみたところ、お出でお出でとウェルカム。元旦に酔っ払ってご機嫌の自分、そして、彼女は、大屋さん宅を訪ねたのだった。

大屋さんと言っても、自分と一回りも歳が離れていないお姉さん。我々は、愛を込めて、オバサンと呼んでいたのだが。久しぶりの再会に盛り上がったのも束の間、自分は、日本酒の酔いに意識を失いかけていた。そんな自分をさておいて、オバサンと彼女は、いろいろな話をしていたらしい。

二人が乗らねばならぬ電車の時間が近づいたのだが、完全にグロッキー状態の自分を見て、オバサンは彼女に泊まっていきなさいと言ったらしい。意識をなくして、気持ち悪さと戦っていた自分には、どんなやり取りがあったのか知る術もない。こうして、元旦から、かつてお世話になった大家さんの客間にお泊りすることになった、自分と彼女。そんな状況を認識したのは、猛烈に喉が渇いて水を欲した翌朝のことだった。

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