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2005.01.19

運命(その12)

こうして、2回目の合同芋煮会は終わった。座敷からエスケープしてカウンターでコップ酒を飲んでいた自分と合流したTは、いつしか、お店のオジサン・オバサンとも意気投合し、また一緒に飲もうという約束をしていた。こうして、Tとは、コップ酒を一緒に飲むという不思議な関わりができた。彼女に対して後ろめたい気持ちを感じる部分もあったが、遠く離れて少なからずすさんだ心が、天真爛漫なTを見ているだけで、癒されるような気がした。

いつしか長い冬が終わり、春の訪れが感じられだした頃、自分は2年ぶりのツーリングを企てていた。前回は北の東北だったので、今回は南へ行こうと考えた。さらに、南なら暖かいだろうから野宿にしようと決めた。こうして、四国~九州~山陽、12日間、2000kmの野宿ツーリングは決行された。南は暖かいという大きな誤解を体をもって知ることになるのだが、大歩危小歩危、阿蘇、桜島、霧島、雲仙というハードなコースも走破して大満足のツーリングだった。

そして、GW、彼女が遊びにやって来た。自分は、上杉祭りにアルバイトがあり、それが終わるまで、部屋で待っていてもらった。その時は、確か、獅子神楽の中に入る役割だった。パレードを終えて、部屋に戻ると、待っているはずの彼女が見当たらなかった。机の上に目をやると、自分がメモ代わりに使っていたノートが開かれた状態で放置されていた。そこには、彼女からのサヨナラのなぐり書きがあった。馬鹿野郎とも書いてあった。

自分が帰ってくるまでの間、退屈した彼女は、「メモ帳」と書かれた大学ノートが目に留まり、何気なく開いてみたのだ。なにやら日記風だ、見てはいけないと思いつつも、自分の事が書いてあるのではと、ページをめくってみた。そしたら、自分のことではなく、Tのことが書いてあったというわけだ。遠く離れて、何となくすれ違いを感じてはいたが、そういうことだったのかというわけだ。Tとの関係は、依然としてコップ酒の関係で、それ以下でも以上でもなかったのだが、そんな関わりで心が癒されていた自分がいたのは大いなる事実。

彼女は、今頃は、電車に揺られて、帰路についているはず。でも、誰も居ない部屋でじっとしてもいられず、自分は、ダメもとで駅に向かった。

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コメント

おおおぉぉぉぉぉ!

投稿: ウエ | 2005.01.20 20:14

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