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2005.01.14

運命(その10)

同じく卒業とは言えど、2人の進路は微妙に違っていた。彼女は、仙台の銀行へ、自分は、大学院への進学を選択したのだ。3月の雪がちらつくとある日、この地を離れる彼女を見送った。舞台は東京ではなかったけれど、当時の心境は「なごり雪」の歌詞のようだったのだ。走り出した列車のデッキに立ち、手を振りながら笑顔で去っていく彼女、見送る側としては辛い部分もあったけれど、列車が完全に見えなくなったときに、何かがプチンと切れたような気がした。

春が来て、学生を続ける自分と、社会人になった彼女、距離的にも離れて、それぞれの道を歩み始めた。お互いに、お互いから卒業したような気持ちを感じつつも、遠距離でのお付き合いは、かろうじて続いていた。

自分の方は、大学での研究、研究室の後輩との関わりと、男ばっかりだけど、充実した日々を過ごしていた。研究室にランニング好きな人間が居たこともあり、毎日、夕方に講座の連中と走るようになった。こうして、秋には、標高700mの温泉がゴールの25kmマラソンに参加するまでになり、そこで3位となり、走る喜びを知る。さらに、学年対抗の駅伝大会にも参加、区間賞を記録するなど、記録や順位を求めて走る喜びに目覚めた。自転車も続いていた。彼女の住む、仙台まで自転車で会いに行ったことも何度もある。

こうして、互いの新しい生活を楽しみつつも、遠距離で繋がっていた、彼女と自分。そんなおり、下宿の後輩達の手によって秋の合同芋煮会が計画された。そうしたイベントからは卒業していたはずの自分も、参加することになった。

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