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2005.01.11

運命(その9)

cunmei9
自力で部屋に戻り、なんとか布団にもぐり込んだものの、酔いと睡魔で目の前は真っ暗、ぐるぐると回転しながら奈落の底に落ちていくような悪寒を感じながら、眠りに落ちていった。・・・しかし、その眠りは長くは続かなかった。誰かが、部屋に入ってきて、自分を起こそうとしているのだ。

その時には、訳が分からなかったのだが、つまり、こういうことだった。夜の12時に待ち合わせていた彼女が、タクシーで下宿前までやってきた。約束では、そこに、スキーに行く準備をした自分が立って待っているはずなのに、影も形も無い。下宿では、まだ宴が続いている様子。そこで、やむなく、彼女は下宿の誰かに、自分と約束している旨を伝えたのだ。その時の宴には、我々が出会うキッカケを作ってくれたI先輩も参加していた。事情を察知したI先輩の号令で、2階で撃沈している自分を起こしてタクシーに乗せろという話になったのであった。

約束がありながら撃沈してしまった自分、起きろと言われても、とても起きられる状態ではない。その時の記憶は断片的にしかない。その断片的な記憶は、吐いたという記憶ばかりだった。多分、部屋から担ぎ出されて、隣人のN君のドア付近に1げえ、タクシーに乗せられて走り出して間もなく「止めて!」と言って、ドアを開けてもらい、雪が積もる路上に2げえ、そんなこんなで、駅に着いた。I先輩がタクシーに同乗、駅まで送り届けてくれたのであった。そんなI先輩に手を振り、彼女と自分は、予定通り、深夜の急行列車に乗ることができたのだった。

2げえもしたのに、まだまだ回復しない自分。電車の揺れと局所的に効き過ぎの暖房により、ますます気持ちが悪くなる。ほとんど、半病人のように死んでいた。どこの駅からだったか、対面に同じぐらいの世代のカップルが座った。いつしか会話などをするのだが、3人の健康な人と1人の死人という組み合わせなので、もっぱら3人の会話。横になりながら、そんな会話をところどころ耳にしながらも会話に参加できず、気持ち悪さと闘っていた死人、そんな自分だった。秋田県内のどっかの駅で停車したおり、再び気持ち悪さがこみ上げてきた自分は、ドア付近まで行き、雪が積もるホームに3げえをした。彼女と2人で食べるはずだったお弁当は、対面のカップルの彼氏の口に消えた。

そんな最悪な乗客と連れ合いの彼女は朝早く田沢湖高原スキー場に着いた。こんな状態では、とてもスキーなど出来る状態ではないのだが、吐くだけ吐いた自分は、スキー場の雪と冷気にあたり、奇跡的な回復を遂げ、朝もはよから、ゲレンデを滑りまくる人となる。彼女は、これが初スキーだった。見事にリフトから降りた後の斜面で滑り込みをしていた(写真)。さんざん迷惑をかけておきながら、こんなシーンだけ、ちゃっかりカメラにおさめる自分であった。

雪質も良くスキーは最高に楽しかった。ゲレンデから見下ろす田沢湖も美しかった。宿で食べた「きりたんぽ鍋」も美味しかった。こうして、出だしはどうなるかと思われた、我々のスキー旅行も無事に終わった。卒業は、そこまで近づいていた。

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今日と明日は海遊館が休館日。 休館日を知らずにやって来る観光客から文句を言われるんは 必ずタクシー運転手。 アホらしいんでタクの仕事は休みにする。 ... [続きを読む]

受信: 2005.01.13 03:58

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